<aside> 📺 原著論文の精査と登山・クライミングへの応用は著者(https://yamap.com/users/3511165,https://www.facebook.com/hisashi.ikari/)によるものです.

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体脂肪率27%の男が,リュックに石を入れて歩き始めた日

2025年の秋,私は体重87kg,体脂肪率27%でした.

会社の健康診断で「メタボリックシンドローム予備群」の判定を受け,内臓脂肪レベルは11.体年齢は実年齢より18歳も上の55歳相当.数字を突きつけられて,さすがにまずいと思いました.

でも,走るのは嫌でした.膝が悪いわけではないのですが,ランニングという行為そのものが性に合わない.何か別の方法はないか——そう考えていた時に出会ったのが「ラッキング」です.

ラッキング(Rucking)= 重りを背負って歩くこと.

もともとは軍隊のトレーニングが起源で,リュックサックに重りを入れて歩くだけ.ランニングほど膝への衝撃がなく,でも普通のウォーキングより消費カロリーが高い.

やったことはシンプルです.

これを3ヶ月続けました.

結果は——

項目 Before After 変化
体重 87 kg 72 kg −15 kg
体脂肪率 27% 12% −15%
骨格筋率 34% 40% +6%
体年齢 55歳相当 37歳相当 −18歳

「走らなくても,歩くだけで体は変わる」——これが,私の身体実験の原点です.

補足:なぜ「歩くだけ」で体脂肪が落ちるのか?

人間の体には,糖質を燃やす回路(解糖系)と,脂肪を燃やす回路(脂肪酸β酸化)の2つがあります.激しい運動では糖質が優先的に使われますが,「ちょっときついけど会話できる」くらいの強度(専門用語では「Zone 2」と呼びます)で長時間歩くと,脂肪を燃やす回路が優先的に動きます.

ラッキングの強度はちょうどこのZone 2に入ります.重りを背負うことで,ただ歩くよりも心拍数が上がり,かつ筋肉にも負荷がかかる.結果として「脂肪を落としつつ,筋肉は維持する」という理想的な体組成の変化が起きたわけです[^1].

<aside> 📖 Achten, J., & Jeukendrup, A. E. (2003). Optimizing fat oxidation through exercise and diet. Sports Medicine, 33(3), 129-147.

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15kgが消えたら,山が見えた